ハンガリーの亡命作家: アゴタ・クリストフ(Agota Kristof)著 『悪童日記』三部作が元にある。
彼女は、1935年ハンガリー生まれ。子ども時代をオーストリア国境に近いクーセグ市で過ごし、1956年ハンガリー動乱の折に西側に亡命し、スイスのヌーシャテルに住む女性である。

翻訳本は、言い回しや例え表現、行動の意味する事柄を感じ取りにくく、日本と違う文化の物語を表現するのに、自身の感覚も足らず、また直訳過ぎてしまうこともあり、入り込めない作品もあるので、好き嫌いがかなり分かれると思いますが、この作品が、映画になった。
現在、公開中です。

とても、映像化が難しいといわれていた作品を、映画化したのは、ヤーノシュ・サース(Janos Szasz)監督。
この作品がとても気になったので、自分の記録として、残そうと思います。
***悪童日記 公式サイト***
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☆★☆★映画紹介 (現在上映中の新宿シネマカリテHPより)★☆★☆
【ぼくらには、きわめて単純なルールがある。作文の内容は真実でなければならない。というルールだ。ぼくらが記述するのは、あるがままの事物、ぼくらが見たこと、ぼくらが聞いたこと、ぼくらが実行したこと、でなければならない。】

1944年、第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツに支配されたハンガリー。一心同体・双子の「ぼくら」は両親と離れ、村人から“魔女”と呼ばれている祖母の農園に疎開する。おばあちゃんからは、満足に食事も与えてくれない家畜同然の扱いを受け、周囲の大人たちの身勝手で残酷な悪意に満ちた行動を目のあたりにした「ぼくら」は、生きるため、強くなるために、心を失くし、自らに大きな試練を課してゆく。聖書と辞書だけを頼りに独学で知力を身につけ、残酷さに慣れるために虫や鳥を殺す。痛みに慣れるために、お互いに罵り合い、ベルトで殴りあう。そして感傷を断つために母親の写真や手紙も焼き捨てた。何があっても生き延びる、ただそれだけ。“強くなってね。迎えに来るまで生き延びてね。何があっても学び続けるのよ”…別れ際に言われたお母さんからの言いつけを守っているだけ。そして父親から渡された「大きなノート」に、これらの毎日起きた<事実>だけを克明に記していった……。

1986年に発表して世界40カ国語以上で翻訳され、センセーションを巻き起こしたハンガリー出身の亡命作家アゴタ・クリストフ(女性)のベストセラー小説三部作(他「ふたりの証拠」「第三の嘘」)一作目の映画化。これまでポーランドのアグニエシュカ・ホランド監督(「ソハの地下水道」)や、デンマークのトマス・ヴィンターベア監督(「偽りなき者」)ら錚々たる巨匠が映画化権を獲得するも、実現できずに、このまま映像化不可能と言われた作品を、アゴタと同郷のヤーノシュ・サース監督が出版から30年の時を経て完成させた。(残念ながらアゴタは映画完成前の2011年7月に逝去した)主人公の双子の兄弟役には、監督がハンガリー中の双子を探し続けて見出した演技経験ゼロのジューマント兄弟。彼らの無表情で冷徹な眼差しが忘れられない。

生と死の狭間で生きることを余儀なくされた時代に生まれた子どもたち。
戦争というモラルのない空間に放り込まれた瞬間から、もう倫理や道徳なんてどうでもよくなる。
純粋無垢だった子どもの心は、こうして壊れてゆく。
そして小さな怪物、恐るべき<悪童>に変貌を遂げる。
悪には悪を…。すべては戦争だから…。
戦争を知らない子どもたちへ――。

映画トレイラー

-----------監督インタビュー記事(映画.comより)------------
ヤーノシュ・サース監督「原作の簡潔さをいかに映画的に表現するか」

ハンガリー出身の亡命作家アゴタ・クリストフの「悪童日記」。映像化不可能と言われたベストセラーをハンガリーのヤーノシュ・サース監督が映画化した。戦時下をたくましく生きる双子の、ときに残酷な生き様をシンプルかつ美しい映像で表現し、見事カルロビ・バリ国際映画祭でグランプリを受賞した。このほど来日したサース監督に、映画化までの道のりを聞いた。(取材・文・写真/編集部)

「冷酷であり、生々しくもあり、暴力的で同時に美しさがあった」と原作から受けた印象を語る。小説と映画はメディアが違うということをふまえた上で、映像に落とし込む際に留意した点を挙げる。「原作は簡潔であり、その冷たさの下には熱があります。美しさだけではなく、荒々しさや悲劇という非常に複雑な表現が必要だと思いました。簡潔さをいかに映画的に表現するかを考え、シンプルな映像であることを心がけて映画的な技巧を抑制しました。自然な流れで起きることを撮ったのです」
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映画化権を手に入れるまで15年もの月日がかかった。世界的ベストセラーで、映像化不可能と言われた原作を映画化するにあたってのプレッシャーはなかったのだろうか。「もちろんハンガリーでもベストセラーでしたが、そういう意味でのプレッシャーはなく、あったとすると自分が自分にかけていたプレッシャーです。私は安全パイをとるタイプではなく、リスクを自らとって行くタイプ。原作も、映画作りにも秘密がたくさんあり、すべてをわかった上でやるべきではないと思うのです。物語の中で母親が双子を祖母に預ける時に言い残した『学び続けなさい、生き続けなさい』というメッセージが鍵となりました」

主役はハンガリー中の学校をリサーチして見つけた双子の兄弟だ。感受性豊かで美しいふたりは、原作さながらに複雑な家庭環境で育ったそう。「結果的にはその存在感でした。ふたりは演技経験ゼロで、ブダペストから離れた貧しい村に住んでおり、詩のひとつも読んだことがなかった。私は演技経験がないというその純潔さを大切にしたかったのです」と起用の決め手を語る。

実際の撮影に入ってからは「戦争という背景を彼らに説明する必要はありませんでした。彼らの人生に彼ら自身の戦いが存在していたからです。私が監督としてできることは、彼らに演技の必要のない場所を作ること、そして、小説の持つ簡潔さに沿って映画を盛り上げることでした」と述懐。そして、「抑制した演技を求めたので、実は、なんでもできるベテラン俳優陣に少年たちに合わせたシンプルな演技をしてもらうことが一番苦労しました」と葛藤も明かした。

アゴタ・クリストフとは映画権取得をきっかけに対面し、友情を深めた。脚本執筆を依頼したが、小説と映画は違うという理由で断られたと明かす。女史は映画の完成を待たずしてこの世を去ったが、監督が手がけた脚本だけは読んでもらうことができ、その簡潔さに満足してくれたそう。「彼女がこの映画を気に入ってくれることを夢見ています。何か心に響く部分を見つけて、彼女の綴った物語に近いものになったと感じてくれたら。彼女はすごく正直で、思ったことをすぐ口にするので、『あそこは、ちょっと……』とか言われる部分もあったかもしれません。できることならば、鑑賞後にハグしてもらいたかったですね」
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11月上旬まで新宿シネマカリテにて上映予定。映画館は、作品に自分を引き込んでくれる。そんな状況下で、この作品を観たいと思う。
興味のある方は、以下のリンクをクリックして見てください。
新宿シネマカリテの上映スケジュールページ
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